「継いだ当時は素人だった」・木村屋豆腐店(葛飾区)【東京豆腐探訪】

2018年11月1日

木村屋豆腐店店頭

木村屋豆腐店店頭の様子

豆腐作りは独学で

木村屋豆腐店は現在の店主である木村金久氏の祖父が開業し、以来一○○年を超える歴史を持つという。
金久氏が家業を継いだのは先代の亡くなった三十三年前。店の簡単な手伝いをすることはあったが、製造については全くの素人だった。
葬式後から寝る間も惜しみ、猛勉強を行った。母の助けも借りながら、何とか豆腐を作り上げ販売することが出来た。
店の場所は京成立石駅から徒歩一分という好立地。昔から飲み屋が多く、お店で使う豆腐を購入してくれる客も多い。
売上は三十年前に比べても大きく変わらない。立地が良いということもあるが、中には通勤中、わざわざ途中下車して買いに来るお客さんもいると言う。
商品は木綿豆腐、絹豆腐を中心に豆乳濃度の特別濃いものを使った濃厚にがり豆腐や、居酒屋で良く使われるという湯葉、おでん用にサイズを小さくしたがんもどきなどが並ぶ。
また、店頭には豆腐以外の五目稲荷や煮物といった商品も並ぶ。最近増えてきた一人暮らしの方に向けて作っているのだそうだ。

自分だけの儲けを重視せずお客さんが欲しいものを

品揃えや新商品のヒントは、お店に来るお客さんから得ることが多い。
秋冬限定の銀杏がんもどきもその一つだ。酒のつまみにがんもどきを炙って醤油を垂らして食べるというお客さんの話を聞き、それならばと酒と相性の良い銀杏をがんもどきに入れたのが始まりと言う。
「自分だけの儲けを重視せず、お客さんが欲しいものを提供する」というのが金久氏の経営に対する考え方である。
金久氏から一つ一つの商品の説明を聞いていると、並々ならぬこだわりを感じる。
たとえば、濃厚にがり豆腐で使用している豆乳を絞るためには一般的な油圧の絞り機ではなく、スクリュー式でなければ難しいことや、にがりも南極に近い深海から取られたものを使っているなど、話を聞けば聞くほど「食べてみたい」という気持ちが湧いてくる。

木村屋豆腐店
所在地: 〒124-0012 東京都葛飾区立石4丁目23−13
電話: 03-3697-6483

がんもなど

店前にはがんもなどが賑やかに並ぶ

お品書き

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