地域の経済動向調査とは~経営発達支援計画作成の勘所①~

2018年10月11日

地域の経済動向調査とは~経営発達支援計画作成の勘所①~

本記事は商工会・商工会議所やその支援者を想定して書かれたものです。
経営発達支援計画の詳細は下記ページをご覧ください。

小規模事業者支援法に基づく「経営発達支援計画」の認定について

「地域の経済動向調査に関すること」の項目の目的とは?

本項目は、経営発達支援計画の最初の項目となっている。
何故、一番最初にこの項目が上げられているのか、それには重要な意味がある。
次に続く項目は「経営状況の分析に関すること」、そしてその次には「事業計画策定支援に関すること」とある。
「経済動向調査」とは事業者が自分の置かれている環境を把握するための情報である。
その情報を持って「経営状況の分析」にあたる。そして、現状の分析を行った次は、未来の行動を検討する。つまり、「事業計画策定」である。
事業者自身が「経済動向調査」を行えればベストだが、小規模事業者は人手も少なく、経営者自身も現場に出て忙しい。
そこで商工会・商工会議所が事業者に代わり、基本的な調査を行うことが本項目の目的と考えられる。

そもそも「経済動向」とは?どんな情報を収集する?

多くの人はこの「経済動向」というキーワードの意味が分からず戸惑ってしまうのではないだろうか。
厳密な定義はさておき、経営発達支援計画で言われている「経済動向」とは、企業活動の活発さの推移と言える。
では、企業活動の活発さはどのような数値で表されるだろうか。
一般的な数値として、地域の企業数、売上高、従業者数、付加価値額等が上げられる。
これらの数値は事業者の「経営分析」や「事業計画策定」に役立てることを考えると、業種別の数値を収集する必要があるだろう。
DI値と言ったものもある。これは経営者に業況判断・売上高・経常利益等について「好転」か「悪化」で答えてもらい、「好転」と回答した企業比率から「悪化」と回答した企業比率を引いた数値で表すものである。
また、消費者の支出も地域経済に影響を与えていることを考えると、人口数や世帯数、所得の状況等の情報を収集することも考えられる。

何処から情報を収集するか

前出の情報は地方自治体や国が調査を行い「○○統計」「○○調査」「○○動態」といった名称で公開している。
また、業界ごとの情報については、業界団体や調査会社、シンクタンクが発表している資料をあたることもできる。
中小企業庁が発表している「経営発達支援計画の申請ガイドライン」では、「RESAS」という国が提供するWEBサービスを利用することを推奨している。

RESAS 地域経済分析システム

「RESAS」では国が収集している様々な統計情報をグラフや図で観ることができる。画面キャプチャ機能もついているので、事業者に提供することも容易である。
実際に申請書を記述するときは、事業者に何を知ってもらうために「RESAS」のどの情報を利用するかを具体的に書くことが求められるだろう。

収集した数値をどのように分析し活用するか

本項目では分析を行い、事業者に提供することが求められている。分析を行う際の視点では、年や月で順番にデータを並べて、数値の増減の特徴を把握する方法や、他の地域や他の業種と比較する方法がある。これらを行うことで、地域の特徴を把握したり、今後の傾向を予測することが出来る。
分析を行った結果は、図やグラフ等を用い、事業者にとって理解しやすい形で提供することが求められている。活用方法としては後の項目として続く「経営分析」や「経営計画策定」において、事業者がどのような状況に置かれており、どのような課題があるかを検討するときに役立つだろう。
また、本事業は、地域の事業者全体を振興するために行うものなので、情報の提供先を会員企業だけに絞ってはいけない。
目標設定については、情報公開の回数目標が重視されているため、注意が必要である。