提供されるまでの『過程』や企業の『姿勢』はまだ重要ではない


モノを購入する際に「企業」の活動について思いを巡らすことがどれだけあるだろうか

モノを購入する際に「企業」の活動について思いを巡らすことがどれだけあるだろうか

おしゃれ。やすい。べんり。

新宿のビルの前を歩けば、衣料量販店はいつも人でごったがえしている。
最新のトレンドを反映したデザイン、それにも関わらずリーズナブルな値段。
低迷が続くファッション業界だが、こちらは景気が良さそうだ。
昔は「安くてデザインが良いもの」なんてなかったはず。
確かに企業努力はあるだろうが、それだけで実現できるのだろうか。

インターネットで注文すれば、次の日には商品が到着する。
近くのスーパーで1ダースの水を買いこむよりこっちのほうが良い。
余計な労力を使わずに済むのだから。
現代では誰もが利用している。さぞかし大きな利益を得ているに違いない。

あまり良くないニュースの数々

映画「ザ・トゥル・ーコスト」は、 ファッション業界の知られざる「闇」について語られる映画だ。
そこでは、発展途上国の人々が長時間、低賃金で働くことを余儀なくされたり、綿花の栽培で大量に使われる農薬や川のなめしに使われる薬液が環境や人体に影響を与えるといった話が語られていく。
あなたが持っている服、一着一着にそのような背景があるだろう。

国際的な企業の過度な節税は大きな問題となっている。
税金の高い国で稼いだ利益や資産をを「タックスヘイブン」と言われる国の別会社に送って税金を出来る限り安くしようというのだ。
国同士で協力しないとこの問題は解決できない。
国際的な組織であるOECD(経済協力開発機構)で対策をとっていこうということになっている。

それでも企業イメージは揺るがない -フェアトレードの現状-

上記の問題は雑誌やネット、テレビニュースでも大きく取り上げられている。
衣料品の話に関連していえば、それに呼応するように、近年は「フェアトレード」という言葉も話題になっている。
この「フェアトレード」とは、原産国から商品を買い付ける際に「不当に安い価格で買い付けていないか」「労働者の環境が劣悪ではないか」等の厳しい基準を満たしていることを示す認証である。
しかし、日本国内で「フェアトレード」認証が付いた衣料品が普及しているとは言い難い。

依然として私たちは大手企業の服を買う。
日本には税金をあまり払っていないことを知りながら、インターネットで国際的な大手企業から好きな本を買う。

それは、私たちが最重要視しているのは、企業が製品・サービスを提供する『過程』や企業自体の『姿勢』ではなく、提供される製品・サービスが私たちに与えてくれる『価値』だからである。

だが、私は近い将来、製品・サービスの『過程』や企業の『姿勢』が価値として認識される時代が来ると信じている。
その時、企業は大きなパラダイムシフトを強いられることとなるだろう。